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食物アレルギー表示はこうなっている

2.必ず表示される特定原材料は8品目

表示義務がある「特定原材料」、すべて言える?

アレルギーを起こしやすい、症状が重くなることが多く生命にかかわる、として必ず表示しなくてはならない原材料を「特定原材料」といいます。

現在、特定原材料と規定されているものは次の8品目です。( )内は代替表記といって、書き方や言葉は異なっても、特定原材料と同じであると理解できることから、特定原材料の代替として認められている表記です。

  1. 卵(たまご、鶏卵、あひる卵、うずら卵、タマゴ、玉子、エッグ)※1
  2. 乳(ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム)※2
  3. 小麦(こむぎ、コムギ)
  4. えび(エビ、海老)
  5. かに(カニ、蟹)
  6. そば(ソバ)
  7. 落花生(ピーナッツ)
  8. くるみ(クルミ)

※1 卵は、ニワトリだけでなく食鳥の卵はすべて含まれますが、魚卵や虫類卵、昆虫卵はここには含まれません。

※2 乳は牛の乳のみで、羊や山羊の乳が含まれていませんが、羊や山羊の乳はアレルゲン性が牛乳と非常に近いといわれているため、乳・乳製品のアレルギーがある人は注意が必要です。

「乳」「卵」「麦」のつく、まぎらわしい表示

表示に「乳」「バター」、「卵」、「麦」の文字が含まれていても、次のものにはアレルギーの原因になるたんぱく質は含まれていないため、除去する必要はありません

●乳化剤……たがいに溶け合わない、たとえば水と油を混ぜ合わせることを「乳化」といい、そのための添加物を乳化剤というが、牛乳は関係ありません。

●乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム……食品添加物の一種。糖の発酵によって生じる有機酸が「乳酸」で、牛乳とは直接は関係ありません。

●乳酸菌……乳酸菌はヨーグルトを作るときに使われる細菌の総称で、そのものはアレルギー物質ではない。ただ、乳酸菌飲料という場合は、乳酸菌を利用して牛乳を加工して作られている場合が多いため、特定原材料の代替表記扱いとなります。

●カカオバター・ココアバター……「バター」とあるがカカオ豆の脂肪分で、乳成分ではありません。

●卵殻カルシウム……卵の殻を加工したもので、カルシウムを補強する目的で添加されます。焼成卵殻カルシウム、未焼成卵殻カルシウムとも、卵の抗原性はなく除去の必要はありません。

●麦芽糖……マルトースとも呼ばれる糖の一種で、トウモロコシでん粉から作られるため小麦アレルギーの方でも除去の必要はありません。

監修:食品表示活用研究会 会長 食品表示アドバイザー 天明英之
(食品表示活用研究会とは一般社団法人食品表示検定協会が実施する食品表示検定試験・上級に合格した上級食品表示診断士の有志により自主的に運営されている団体です)